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F-Xの決着 [ニュース]



あぁ、決まってしまいました。
ずるずると引きずった航空自衛隊の次期戦闘機(F-X)が、とうとうF-35に正式決定しました。
数日前から情報が流れていたとおりです。

恐らく、今後10年を考えればもっとも妥当な選択ではあるのでしょう。
では、20年、30年先を考えたときにこの選択肢が本当に最良でしたでしょうか?

F/A-18Eスーパーホーネットについては、この機体の誕生経緯や性能はF-2とよく似通っています。
それだけに、F-2の調達を打ち切った後に調達する機体としてはもっとも不適当であったと思います。

EF-2000タイフーンの美点は速度性能、上昇性能等の飛行性能全般に加え、ブラックボックスレスで開発情報にもアクセスできたことでした。
懸念の一つであったレーダーもAESAが間に合う見込みでしたし、ステルス性を除けば最高の条件でした。

F-35は唯一の第五世代機で本格的なステルス性を備え、抑止力としては最良と思われます。
センサーやインターフェスも優秀です。
反面、迎撃戦闘機としての能力はタイフーンに譲るものでした。
加えて、3機種の中で最もブラックボックスが多くもあります。


私は、今回のF-Xにはタイフーンこそが最良であったと考えています。

まず、調達機数が少なく数の上でこの機体が主力とならないことは覚えておくべきでしょう。
F-4の後継としての導入は2~3個飛行隊となり、100に満たない数と予想されます。
であれば、ステルス機の導入はF-15PreMISPの後継まで見送ってもよかったのではないかと思うのです。

次に、日本の海に囲まれて離島の多い国土を考えたときに、迎撃任務を考えればやはり速度性能は欠かせない要素であったはずです。

第3に、F-35は日本の現有の装備では視程外の戦闘能力を実質的に持ちません。
空自自慢のAAM-4はF35のウェポンベイに入らないほど大きいのです。
F-35に視程外戦闘能力を付与するには小型版AAM-4またはAMRAAM購入が必要になります。
それができるのか?現時点で不透明です。
タイフーンでは独自兵装対応の改良も認められていましたから、問題は割とクリアでした。

第4に、やはり開発の問題があります。
ブラックボックスが多い以上、F-35から次々世代の開発へフィードバックできることは本当に表面的な部分にすぎません。
日本は次々世代の国産戦闘機開発を目指しているはずなのです。
自分たちだけでうまくやれる、と思うなら一度F-2の経緯を振り返ってみましょう。
非協力的とはいえ、協力を受けながらあれだけ梃子摺ったのです。
ブラックボックスのないタイフーンの選択は、次々世代の開発により多く質の高い情報を与え得たでしょう。
「最終組み立てであれば」可能なF-35とライセンス生産可能を明言していたタイフーンでは製造技術の蓄積・継承も後者が有利でした。

タイフーンについては、欧州製であることを懸念する声が不思議と根強かったのですが、互換性に問題があるとはあまり思えません。
ブラックボックスの多いものの方がよほど問題を起こしかねないでしょう。
欧州各国はアメリカと共同の訓練・作戦を行っていますし。
空自にとっても欧州製の機体の導入はU-125があって、初めてのことというわけでもありません。

私には選択の根拠がごく手元しか見ていないように思えます。
いずれにしても今回の選択が果たしてよかったのか、今後証明されていくでしょう。

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